モルタル外壁のメンテナンス基礎知識│時期や費用について解説!

モルタル外壁は、耐久性が高く、長い間外壁として使用できることから、一般家庭でも良く用いられており、特に1970年代に建てられた家に多く用いられています。

モルタル外壁が流行した時代から数十年がたった今、メンテナンスを検討する家庭が増えています。そこで今回は、モルタル外壁の特徴やメリット・デメリット、使用する塗料やメンテナンス時の注意点などを詳しく解説していきます。

これからメンテナンスを行う方は、ぜひ参考にしてみてください。

モルタル外壁とは

ここでは、モルタル素材の特徴や外壁として用いる際の種類について説明していきます。

モルタル素材の特徴

モルタル素材は、 「セメント・砂・水」を練り合わせ、やわらかくした建築材料 です。

モルタルは、外壁以外にも断熱材料やタイルの接着剤として使用されるケースもありますが、主に住宅の外壁で使用されています。

モルタルは雨水などに弱いため、 ラス(網の針金)の上からモルタルを左官コテで塗り付け、その上から塗装して外壁材に仕上げることが一般的です。

モルタル外壁の種類

モルタル外壁は使用できる種類が豊富なのが特徴です。素材としては、スタッコ、リシン、タイル、ジョリパッドが主なものとなります。

スタッコは表面に大きな凹凸があり、高級感と重量感があるのが特徴です。

リシンはスタッコより少し抑えめのざらつきがあります。1970年代から1980年代にかけて多く使用されてきたため、見たことがある方も多いでしょう。

タイルは大きめのランダムな凹凸があり、光沢のある 陶磁器調の仕上がりになります。

ジョリパッドは、混ぜる素材の量により仕上がりが異なりますが、デザインを柔軟に変えることができるため、最近人気の素材です。

モルタル外壁のメリット・デメリット

ここからは、モルタル外壁のメリットとデメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

モルタル外壁のメリット

モルタル外壁は、 遮熱性・耐火性・耐久性に優れており、家をしっかりと守ってくれます。外壁素材によってはこれらの要素に弱点がありますが、モルタルは外部からの影響をうけにくく安心できます。

また、サイディングボードと違って継ぎ目がないので、コーキングが必要ありません。コーキングを使用すると外観だけでなくメンテナンス頻度も高くなってしまうので、手間がかからないことは大きなメリットと言えるでしょう。

モルタル外壁のデメリット

モルタル外壁の最大のデメリットはひび割れが起きやすいことです。モルタルは他の素材と比べて硬くて頑丈ですが、圧力が加わると表面にひびが生まれてしまうのです。

また、モルタルは左官職人による手作業での施工が必要なため、職人の腕前によっても出来や耐久性が大きく左右されてしまうというデメリットもあります。

さらに、 モルタルの凹凸部分にも雨水などから汚れが溜まりやすいこともデメリットのひとつです。汚れは日ごろから洗浄でメンテナンスが可能なので、面倒くさがらずに定期的な洗浄を行うと良いでしょう。

モルタル外壁のメンテナンス時期

モルタル外壁は、国土交通省が公表する耐用年数によると30年とされています。これから見ても、モルタル外壁は非常に長持ちする素材と言えます。

しかし、耐用年数が長いからと言って30年間メンテナンスが不要というわけではありません。一般的にモルタル外壁は、 新築住宅では5年~10年に一度、再塗装した住宅では10~15年に一度はメンテナンスが必要だと言われています。

しかし、これはあくまで目安であり、 実際にメンテナンス時期を左右する劣化症状は、建物ごとの「使用塗料」や「立地環境」により異なってきます。

例えば、紫外線を強く受ける立地環境にいた場合、新築でも10年未満で劣化症状があらわれることもあります。

モルタル外壁の劣化のサインは、チョーキングやヘアークラック、塗膜の膨れなどを見て判断しましょう。

チョーキングとは 外壁を触ると手に白い粉が付着してしまう現象で、外壁が水分を吸収してコケやカビが繁殖する可能性が高くなります。

ヘアークラックは小さく浅いひび割れのことで、雨水が侵入して腐食や雨漏りを発生させる危険性があります。

また、塗膜の膨れは、ヘアーラックが発生したことにより見られる現象であり、雨水の侵入や蓄熱などを引き起こした状態です。

これらの状態が見られる場合は、時期に関わらずメンテナンスを依頼しましょう。

モルタル外壁のメンテナンス費用

モルタル外壁は再塗装、カバー工法といったメンテナンス方法があります。それぞれ解説していきます。

再塗装の場合

再塗装によるメンテナンスの場合、延べ床面積が30坪の戸建と想定して費用を計算してみます。

屋根塗装はせずにモルタル壁の外壁塗装を「汎用型」と呼ばれる特殊機能をもたない一般的な塗料を用い、シリコン塗料で実施した場合、費用は約50万~約60万円となります。

シリコン塗料は1平米あたりの単価が1,500円~2,000円とそれほど効果ではないため、比較的選択しやすい塗料です。

ただし、シリコン塗料ではなくフッ素やアクリルシリコンを用いた場合、単価は2倍以上必要になることもあります。

カバー工法の場合

モルタル壁にカバー工法で新しい外壁を張る場合、多くはサイディングを使用します。

モルタルにサイディングを張るカバー工法のリフォーム費用は、外壁1平方メートルあたり6,000円~8,000円程度が目安となるため、30坪の戸建ての場合の目安費用は120万~150万となります。

おすすめのモルタル外壁用塗料

ここでは、モルタル外壁用のおすすめの塗料を紹介します。それぞれ特徴が大きく異なるので、目的に応じて最適な塗料を選びましょう。

水性シリコン塗料

水性シリコン塗料は、 一般的によく使われる外壁用の塗料で、価格と機能のバランスが良い塗料といわれています 。

価格と性能のバランスが良いため、10年ごとの定期的な塗り替えなどを予定している方には便利な商品です。

高弾性防水塗料

高弾性防水塗料は、モルタル壁にクラックが発生したり雨漏りすることが心配という方におすすめな塗料です。

この塗料は塗膜が伸びて建物の動きによるクラックに追随し、表面化をさせないことで雨水の侵入を防いでくれます。

クラックが多い、雨漏りに悩まされているという方には最適の塗料です。

フッ素樹脂塗料

次回の塗り替えまで期間を長くしたい方には、フッ素樹脂・無機配合塗料等の高耐候型塗料 がおすすめです。

この塗料は、耐用年数が 15~20年と長く、表面の劣化が起こりにくいことが最大の特徴です。

モルタル外壁をDIYでメンテナンスする方法

モルタル外壁は、軽度の劣化症状や部分的なひび割れなどはDIYでメンテナンスすることも可能です。ここでは、必要な道具や手順、注意点などについて紹介していきます。

必要な道具

モルタル外壁の表面を再塗装をするためには、自分で砂とセメントを混ぜる方法が安上がりです。手間がかかるという方は、水を混ぜるだけで便利なホームモルコンを使用しても良いでしょう。

また、バケツと手袋を用意します。手袋は、 破れにくく、中が布で蒸れにくいテムレス手袋などがおすすめです。

塗料を塗るためのローラーも必要です。高い部分を塗る場合にはつなぎ棒を購入しておきましょう。

塗装の手順

まず、表面のほこりを落とすために手ぼうきなどで風化した表面をはらいます。

外壁のはがれている部分などは、速乾セメントなどで補修しておきます。ヘアークラックは塗料で隙間がでないように埋めておきましょう。大きなヒビの場合は屋外用充てん材で埋めるようにします。

隅の部分などは先にスジカイバケで塗っておき、全体をローラーで塗ります。高いところを塗る場合は、つなぎ棒でローラーをと棒をつなぎ、必要によって脚立などを用いて足場を作りましょう。

塗装が終わったら自然乾燥まで表面に触れないように注意しましょう。

塗装の際の注意点

外壁塗装には時間がかかり、専門の業者による施工でも通常2週間ほどの施工期間が必要になります。

これをDIYで行うとなると、広範囲の場合は1月以上必要な場合もあり、空いた時間を見つけなければなりません。特に、季節によっては天候に恵まれないため作業が進まないこともありますので、期間が長引くことは覚悟しなければなりません。

また、素人は業者ほど専門技術がないため、 せっかく時間と労力をかけたのに、外壁塗装後2~3年して塗装が剥がれてしまうことがあります。工事不良が生じても誰も補償をしてくれないこともDIYのデメリットです。

ある程度の期間が必要であり、かつ工事不良のリスクが伴うということを覚悟して施工しなければなりません。

モルタル外壁メンテナンス業者の選び方

モルタル外壁は、模様を変える際に吹き付けやジョリパッドなど、経験と技術が求められる作業工程が生じます。

そのため、塗装技術のある業者を選定する必要があります。

腕のある職人を見極めることは困難なため、複数の業者から見積を受け、施工内容やアフターフォローの内容をしっかりと比較しておきましょう。

また、業者から工事中の写真を見せてもらうなど、その業者がどれだけ実績を持っているのかを確認することも重要です。